新GUS、またの名を「瞬唱Vault」
2011年10月13日 MtG コメント (5)
《瞬唱の魔道士》は大方の予想通りレガシーで早速メイン採用されている。
それもそのはず。
軽い呪文の多いエターナルにおいて、
この青い生物はアドバンテージの塊と言えるのだから。
戦場に出た瞬間仕事をするCIPに加えて、2マナ2/1、瞬速。
「昨今の青はもう生物弱い色じゃないのでは?」
という突っ込みが入りそうなほど。
数年前の青ならばパワータフネスの数値が逆だっただろう。
再利用できるのはインスタントおよびソーサリー。瞬速を利用すれば、相手のターンでもインスタントを掘り起こすことが出来る。戦闘ステップに出して相手のタフネス2と相打ちを取ったあと、ターンのエンドに《渦まく知識》してみたり。相手の呪文に対応して戦場に出し《対抗呪文》で打ち消してみたり。この融通性がマナコストの軽さと非常にマッチしている。
レガシーではチームアメリカでの採用を目にした。愛好者の多いこのデッキ、《瞬唱》を生かしたチューンが早くも研究されているようで、とくに《発掘/Unearth》を用いたものが面白い。これを《瞬唱》で使いまわすことで、生物に高い除去耐性を持たせられる。さらにその《瞬唱》を《激浪の研究室》でバウンスし、墓地を使いまくるというもの。どれだけ瞬唱を隅々まで味わい尽くせるか、というような構成だ。《激浪の研究室》は早くから《ヴェンディリ》とともに使われているカードだが、この《瞬唱》が出たことにより、アドバンテージ重視タイプのデッキにはさらに主流化される仕掛けではないだろうか。
ここまででこの《瞬唱》のスペックを書いたが、例によって自分のデッキに投入を検討。以前に載せたデッキリストには試験的に2枚採用してみたが、それだけでこのクリーチャーがヴィンテージ環境にも相当の影響を与えるカードだというのは改めて確信した。おさらいとして、ここで《瞬唱》で使いまわすパーツを列挙してみる。
《Ancestral Recall》
《ヨーグモスの意思》が現在のヴィンテージにおいて最凶呪文と呼ばれる所以はパワー9を含め、軽くて強力な呪文とマナ加速が多いほど効果が上がる点にある。《瞬唱》も例外ではない。《瞬唱》はプチ《ヨーグモス》としての働きが出来るのだ。まずこのアンリコさん。言わずと知れた1マナ3ドローというマジック界でも脅威の意味不明呪文だが、《瞬唱》によって使いまわすことで凶悪さに拍車がかかる。2マナ6ドロー?冗談としか思えない。
《Time Walk》
《時間の伸長/Time Stretch》というカードがある。10マナで追加の2ターンを得るという、コストも効果も2倍の《時間のねじれ》な呪文だが、このカードでなら計4マナでそれを実現してしまう。瞬間の爆発力ではアンリコに劣るが、通ってしまったが最後、突如出てきた《荒廃鋼》によって瞬殺も在り得る恐るべき時間操作呪文。
「あなたの時間も私のもの…」
《Mana Drain》
ヴィンテージにおける三強の一角を占めるカードの1つ。書いてあることは《対抗呪文》と同じだが、なぜかそれにメリット能力の付いたわけの分からないカウンター。打ち消し合戦で相手の《Will》なんかを最後にカウンターした日には、次の自分メインフェイズに無色5マナが勝手に沸き出る。《Will》と違いマナコストが軽いため、フラッシュバックとの相性の良さがポイント。今後は墓地にあっても相手は呪文を唱えるのを躊躇うようになるだろう。
《Demonic Tutor》
たったの2マナでデッキ中のどんなカードでも手札に持ってこられる最高のサーチカード。《吸血の教示者》をはじめとした、各種チューター系の祖とも言えるが、これらでさえ制限されるほどの性能。ゆえにこのカードの壊れ具合も推して知るべし、である。《瞬唱》で使いまわすことで、特にコンボデッキにおいてはパーツを揃えるスピードが格段に増すだろう。
《修繕/Tinker》
アーティファクト版《自然の秩序》になるよう意識して作られたカード。旧エクステンデッドでも禁止カードになったことのある恐るべきアーティファクトサーチである。1つアーティファクトを生贄にするだけで、デッキからどんな重量級のアーティファクトでも直接戦場に出せる。通常1度しか出すチャンスのない《荒廃鋼》がバウンスや墓地送りに遭った場合でも、再び呼び戻せるようになるのは大きい。ただしStPは簡便な!
さて、この瞬唱で恩恵を受けやすい代表カードをざっと挙げてみた。これを踏まえて、新たに組んだデッキのリストを載せてみる。
クリーチャー(3)
1 《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus》
2 《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
呪文(30)
1 《Ancestral Recall》
1 《渦まく知識/Brainstorm》
1 《商人の巻物/Merchant Scroll》
1 《神秘の教示者/Mystical Tutor》
1 《思案/Ponder》
1 《Time Walk》
1 《修繕/Tinker》
1 《残響する真実/Echoing Truth》
4 《Force of Will》
4 《Mana Drain》
1 《誤った指図/Misdirection》
4 《噴出/Gush》
1 《ハーキルの召還術/Hurkyl’s Recall》
1 《撤廃/Repeal》
1 《Demonic Tutor》
1 《Fastbond》
1 《思考囲い/Thoughtseize》
1 《苦悶の触手/Tendrils of Agony》
1 《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
1 《ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will》
プレインズウォーカー(1)
1 《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
アーティファクト(11)
1 《Black Lotus》
1 《Mox Emerald》
1 《Mox Jet》
1 《Mox Pearl》
1 《Mox Ruby》
1 《Mox Sapphire》
1 《Sol Ring》
1 《Mana Crypt》
1 《Time Vault》
1 《通電式キー/Voltaic Key》
1 《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
土地(15)
2 《島/Island》
1 《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
1 《霧深い雨林/Misty Rainforest》
3 《汚染された三角州/Polluted Delta》
2 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
1 《トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy》
1 《Tropical Island》
3 《Underground Sea》
1 《Volcanic Island》
サイドボード(15)
4 《虚空の力線/Leyline of the Void》
3 《鋳塊かじり/Ingot Chewer》
1 《真髄の針/Pithing Needle》
1 《紅蓮破/Pyroblast》
2 《赤霊破/Red Elemental Blast》
2 《誘惑蒔き/Sower of Temptation》
2 《紅蓮地獄/Pyroclasm》
GATと呼ばれる、グロウ系からの派生デッキ。昔はこれに《サイカトグ》や《クウィリーオンのドライアド》が入っていた。《噴出》が制限解除されたことによって復権したタイプである。
動きは単純にして強力。土地を置くことをライフ1点と引き換えに無制限化する《Fastbond》を張ったあと、出した土地をピッチコストで戻して《噴出》を唱える。引いた中に《噴出》があればさらに土地を出した後戻して唱え… これを繰り返してストーム10回の《苦悶の触手》でゲームエンド。マナを引き出しておいて、そのタップ状態の土地をピッチコストに充てたあと出し直せばマナ加速まで出来てしまう凶悪極まりないコンボである。このため、早いターンから勝負を決めに行くことが出来る。これに今回の《瞬唱》が合わさることで、さらにアドバンテージを得られるのだ。
同時にボルトキーコンボもサブとして投入。スロットを2枚しか喰わない手軽さに反して、即勝ちに繋がるのが嬉しい仕込みカード。
《瞬唱》が単純にヴィンテージで強いのは軽いカードの存在もあるが、何よりそれらを合わせることでのストームの稼ぎやすさが最大の理由だろう。ヴィンテージではストームを使ったデッキが常にメタの一角を占めている。このカードは純粋にそれらをアシストするもの。入らない理由がない。同様にBtBやフィッシュのような、青を入れた多くのデッキを中心に今後よく目にするカードになることは間違いない。
それもそのはず。
軽い呪文の多いエターナルにおいて、
この青い生物はアドバンテージの塊と言えるのだから。
戦場に出た瞬間仕事をするCIPに加えて、2マナ2/1、瞬速。
「昨今の青はもう生物弱い色じゃないのでは?」
という突っ込みが入りそうなほど。
数年前の青ならばパワータフネスの数値が逆だっただろう。
再利用できるのはインスタントおよびソーサリー。瞬速を利用すれば、相手のターンでもインスタントを掘り起こすことが出来る。戦闘ステップに出して相手のタフネス2と相打ちを取ったあと、ターンのエンドに《渦まく知識》してみたり。相手の呪文に対応して戦場に出し《対抗呪文》で打ち消してみたり。この融通性がマナコストの軽さと非常にマッチしている。
レガシーではチームアメリカでの採用を目にした。愛好者の多いこのデッキ、《瞬唱》を生かしたチューンが早くも研究されているようで、とくに《発掘/Unearth》を用いたものが面白い。これを《瞬唱》で使いまわすことで、生物に高い除去耐性を持たせられる。さらにその《瞬唱》を《激浪の研究室》でバウンスし、墓地を使いまくるというもの。どれだけ瞬唱を隅々まで味わい尽くせるか、というような構成だ。《激浪の研究室》は早くから《ヴェンディリ》とともに使われているカードだが、この《瞬唱》が出たことにより、アドバンテージ重視タイプのデッキにはさらに主流化される仕掛けではないだろうか。
ここまででこの《瞬唱》のスペックを書いたが、例によって自分のデッキに投入を検討。以前に載せたデッキリストには試験的に2枚採用してみたが、それだけでこのクリーチャーがヴィンテージ環境にも相当の影響を与えるカードだというのは改めて確信した。おさらいとして、ここで《瞬唱》で使いまわすパーツを列挙してみる。
《Ancestral Recall》
《ヨーグモスの意思》が現在のヴィンテージにおいて最凶呪文と呼ばれる所以はパワー9を含め、軽くて強力な呪文とマナ加速が多いほど効果が上がる点にある。《瞬唱》も例外ではない。《瞬唱》はプチ《ヨーグモス》としての働きが出来るのだ。まずこのアンリコさん。言わずと知れた1マナ3ドローというマジック界でも脅威の意味不明呪文だが、《瞬唱》によって使いまわすことで凶悪さに拍車がかかる。2マナ6ドロー?冗談としか思えない。
《Time Walk》
《時間の伸長/Time Stretch》というカードがある。10マナで追加の2ターンを得るという、コストも効果も2倍の《時間のねじれ》な呪文だが、このカードでなら計4マナでそれを実現してしまう。瞬間の爆発力ではアンリコに劣るが、通ってしまったが最後、突如出てきた《荒廃鋼》によって瞬殺も在り得る恐るべき時間操作呪文。
「あなたの時間も私のもの…」
《Mana Drain》
ヴィンテージにおける三強の一角を占めるカードの1つ。書いてあることは《対抗呪文》と同じだが、なぜかそれにメリット能力の付いたわけの分からないカウンター。打ち消し合戦で相手の《Will》なんかを最後にカウンターした日には、次の自分メインフェイズに無色5マナが勝手に沸き出る。《Will》と違いマナコストが軽いため、フラッシュバックとの相性の良さがポイント。今後は墓地にあっても相手は呪文を唱えるのを躊躇うようになるだろう。
《Demonic Tutor》
たったの2マナでデッキ中のどんなカードでも手札に持ってこられる最高のサーチカード。《吸血の教示者》をはじめとした、各種チューター系の祖とも言えるが、これらでさえ制限されるほどの性能。ゆえにこのカードの壊れ具合も推して知るべし、である。《瞬唱》で使いまわすことで、特にコンボデッキにおいてはパーツを揃えるスピードが格段に増すだろう。
《修繕/Tinker》
アーティファクト版《自然の秩序》になるよう意識して作られたカード。旧エクステンデッドでも禁止カードになったことのある恐るべきアーティファクトサーチである。1つアーティファクトを生贄にするだけで、デッキからどんな重量級のアーティファクトでも直接戦場に出せる。通常1度しか出すチャンスのない《荒廃鋼》がバウンスや墓地送りに遭った場合でも、再び呼び戻せるようになるのは大きい。ただしStPは簡便な!
さて、この瞬唱で恩恵を受けやすい代表カードをざっと挙げてみた。これを踏まえて、新たに組んだデッキのリストを載せてみる。
クリーチャー(3)
1 《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus》
2 《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
呪文(30)
1 《Ancestral Recall》
1 《渦まく知識/Brainstorm》
1 《商人の巻物/Merchant Scroll》
1 《神秘の教示者/Mystical Tutor》
1 《思案/Ponder》
1 《Time Walk》
1 《修繕/Tinker》
1 《残響する真実/Echoing Truth》
4 《Force of Will》
4 《Mana Drain》
1 《誤った指図/Misdirection》
4 《噴出/Gush》
1 《ハーキルの召還術/Hurkyl’s Recall》
1 《撤廃/Repeal》
1 《Demonic Tutor》
1 《Fastbond》
1 《思考囲い/Thoughtseize》
1 《苦悶の触手/Tendrils of Agony》
1 《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
1 《ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will》
プレインズウォーカー(1)
1 《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
アーティファクト(11)
1 《Black Lotus》
1 《Mox Emerald》
1 《Mox Jet》
1 《Mox Pearl》
1 《Mox Ruby》
1 《Mox Sapphire》
1 《Sol Ring》
1 《Mana Crypt》
1 《Time Vault》
1 《通電式キー/Voltaic Key》
1 《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
土地(15)
2 《島/Island》
1 《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
1 《霧深い雨林/Misty Rainforest》
3 《汚染された三角州/Polluted Delta》
2 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
1 《トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy》
1 《Tropical Island》
3 《Underground Sea》
1 《Volcanic Island》
サイドボード(15)
4 《虚空の力線/Leyline of the Void》
3 《鋳塊かじり/Ingot Chewer》
1 《真髄の針/Pithing Needle》
1 《紅蓮破/Pyroblast》
2 《赤霊破/Red Elemental Blast》
2 《誘惑蒔き/Sower of Temptation》
2 《紅蓮地獄/Pyroclasm》
GATと呼ばれる、グロウ系からの派生デッキ。昔はこれに《サイカトグ》や《クウィリーオンのドライアド》が入っていた。《噴出》が制限解除されたことによって復権したタイプである。
動きは単純にして強力。土地を置くことをライフ1点と引き換えに無制限化する《Fastbond》を張ったあと、出した土地をピッチコストで戻して《噴出》を唱える。引いた中に《噴出》があればさらに土地を出した後戻して唱え… これを繰り返してストーム10回の《苦悶の触手》でゲームエンド。マナを引き出しておいて、そのタップ状態の土地をピッチコストに充てたあと出し直せばマナ加速まで出来てしまう凶悪極まりないコンボである。このため、早いターンから勝負を決めに行くことが出来る。これに今回の《瞬唱》が合わさることで、さらにアドバンテージを得られるのだ。
同時にボルトキーコンボもサブとして投入。スロットを2枚しか喰わない手軽さに反して、即勝ちに繋がるのが嬉しい仕込みカード。
《瞬唱》が単純にヴィンテージで強いのは軽いカードの存在もあるが、何よりそれらを合わせることでのストームの稼ぎやすさが最大の理由だろう。ヴィンテージではストームを使ったデッキが常にメタの一角を占めている。このカードは純粋にそれらをアシストするもの。入らない理由がない。同様にBtBやフィッシュのような、青を入れた多くのデッキを中心に今後よく目にするカードになることは間違いない。
コメント
>ひみつ
環境にまったく詳しくないのでアレですが、サーチ前提なら誘惑蒔きは1枚でいいのかなーと素人考え
EchoかRepealのどっちかを変更するといいかもしれません。
チアメは採用するなら従来の《Sinkhole》入りタイプか《墓忍び》切りタイプに分かれるでしょうね。ただ《瞬唱》ギミックはメインの勝ち筋じゃなくてあくまで補助要素と思うので基本的には再利用は意識せずにぶっぱで良いんじゃないでしょうか。
>うーんやはり抜くならサワーになるかなあ。紅蓮地獄を減らしても良いかもしれない。
[>正体不明さん
なるほど。黒黒がたまに出しづらい時がありますし、入れてみます。
誘惑蒔きは他と比べて若干サーチしづらい面もあるかと思うので、紅蓮地獄のほうが安定ですかね…
ここまで来ると墓忍びを貫き通したくなるのが人情(笑 攻撃寄りにシフトして、森デュアラン出しておく必要がありますが《激励》とかどう?
サワーはピンで仕事する生物と同型のBSC対策ですが、他に比べてサーチのし難さで2枚入れてます(支配魔法ではないのが点)。大体は爆速ドローで引けるのであまり気にはならないんですが。